国際的なSAFの共同調達、狙いは? 「義務化の国でも不足」の実態
聞き手・松本真弥
航空業界で脱炭素の「切り札」とされる、SAF(持続可能な航空燃料)が世界で争奪戦になっています。政府は安定調達にむけ、シンガポールや米国などと連携し航空会社への支援を検討しています。なぜ今SAFが注目を集めているのか、日本はどのような対応が必要なのか。運輸総合研究所の黒川隆一・主任研究員に聞きました。
――SAFは脱炭素の「切り札」と呼ばれています。
「脱炭素の取り組みとして、機体の省エネ化や、地上走行時に片方のエンジンを止めるといった運航の工夫などがあります」
「そうした取り組みのなかで、一番効果があるのはSAFです。石油由来のジェット燃料と比べ、二酸化炭素(CO2)の排出量を8割削減できます。SAFの組成は、基本的にはジェット燃料と同じ。既存の航空機のタービンを改造しなくても、そのまま使うことができます」
――原料の中では廃食油の活用が進んでいます。
「原料はいろいろありますが…