「闇バイト」「運び」…隠語で実行役募集 摘発してもトップは雲隠れ

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 高齢者らが狙われる特殊詐欺の被害が絶えない。背景には、取り締まりの強化が進んでも「安全圏」にいるトップが代わる代わる実行役を取り換えているという実態がある。トップと実行役をつなぐ「闇バイト」の監視強化も進むが、海外に逃れるなどして摘発をかわすグループの実態解明には課題が残る。

警察、募集の書き込みに年間1万件以上警告

 特殊詐欺では、現金の受け取りなどの実行役をSNSを通じて集めることが多い。こうした「闇バイト」の募集とみられるツイッター上の書き込みに、警察が返信(リプライ)機能を使って警告する取り組みが行われている。年間1万件以上実施しているという。

 「闇バイト」「裏バイト」「受け」「出し」「運び」……。こうした隠語などを使う募集の書き込みは、特殊詐欺で現金やキャッシュカードを被害者から受け取る「受け子」、カードを使ってATMなどで現金を引き出す「出し子」、現金の運搬役などを集めるためのものである可能性がある。ほかに、特殊詐欺絡みで「口座売買」といった書き込みもある。

 警察はこうした投稿を見つけた場合、返信機能で警告を送る。「こちらは○○警察です。このツイートは、詐欺等の実行犯を募集する不適切な書き込みのおそれがあります」などと指摘した上で、「詐欺罪は10年以下の懲役です」「受け子、出し子は犯罪です」などの文言も加える。

 この取り組みは2019年に愛知県警が始め、その後ほかの警察に広がってきた。警察庁によると、昨年12月末時点で、宮城、警視庁、愛知、石川、大阪、福岡など16都道府県警が行っている。21年は1万2045件、22年は1万3590件の返信をしたという。

 また、各警察はツイッターなどで、特殊詐欺に加担しないよう注意を呼びかける投稿もしている。

 フィリピン入管施設に収容中で、日本側が引き渡しを求めている渡辺優樹容疑者(38)のグループにも闇バイトに応募した若者が含まれていた。

 ある男はSNS上で「高収入…

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