10万円分のカード購入に「詐欺かも」 バイトの高校生2人に感謝状
アルバイト先のコンビニエンスストアで特殊詐欺被害を未然に防いだとして、愛知県警豊橋署は桜丘高2年の岩月萌奈さん(17)と岡本聖生(まりい)さん(16)に感謝状を贈った。署が各コンビニに配った「声かけチェックシート」が鍵になった。
「当てはまっている……」。岩月さんは1月6日夜、「ファミリーマート豊橋多米東町三丁目店」のレジにいた。やって来た70代の女性からプリペイドカード10万円分を購入したいと言われ、レジにあるチェックシートに目を通した。
1万円以上の電子マネーの購入、買い方や使い方を知らない、依頼主が高齢といった項目に当てはまり、「詐欺かも」と疑った。
話を聞くと、パソコンがウイルスに感染し、画面に表示された電話番号に連絡すると、プリペイドカードを買うように指示されたという。女性はメモを持って急いでいる様子だった。
当時ほかに店内にいたのは、バイト仲間の岡本さんだけだった。すぐに110番通報した。警察官が到着するまで2人で女性をなだめ続けた。「詐欺ですよ」とは言わず、遠回しに「警察から言われた項目に当てはまっているので」と、待つように伝えた。
岩月さんは「信じ切っていたので心配でした」、岡本さんは「本当に信じてしまう人がいるんだなって。2人だったからできたと思う」と振り返った。
県警生活安全総務課によると、県内で昨年、980件の特殊詐欺被害を認知した。被害総額は20億円以上(前年比46.7%増)にのぼるという。(良永うめか)
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