KDDIとソフトバンクが「デュアルSIM」、月額数百円で提供へ
携帯電話大手のKDDIとソフトバンクは2日、通信障害や災害に備え、1台のスマートフォンで両社の回線を使うことができる新たなサービスを3月下旬に始めると発表した。緊急時に主回線から予備回線に切り替えることができる。
1台のスマホで2回線を使い分ける仕組みは「デュアルSIM(シム)」と呼ばれる。SIMカードを2枚挿したり、「eSIM(イーシム)」をダウンロードしたりする方法があるが、両社が始めるサービスの詳細は未定。価格は月額数百円を追加するイメージだという。
KDDIは昨年7月、過去最大規模の通信障害を起こした。110番や119番などの緊急通報にも影響があり、社会生活が大きく混乱する事態となったため、デュアルSIMのサービスでの連携を他社に打診していた。まずはソフトバンクが応じた形で、NTTドコモや楽天モバイルなども同様のサービスを始める可能性がありそうだ。
緊急時の対応について、総務省や携帯各社が「ローミング」の検討も進めている。ローミングは、利用者が契約先とは別の会社の通信網を使って通話などができるようにする仕組みだが、実現には時間がかかる見通しだ。(中島嘉克)
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- 【視点】
今回のデュアルSIMについて、当初は担当者ベースで話し合われていたそうですが、時間がかかるためKDDI高橋社長が自ら他キャリアにも声をかけ、そこにソフトバンクの宮川社長が乗ったことから、まずは両社でのデュアルSIMが実現したそうです。なお、