同盟国と「統合抑止」掲げる米国 台湾情勢見すえ、フィリピンに注力

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マニラ=清宮涼 マニラ=大部俊哉 北京=高田正幸 高橋杏璃
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 米国とフィリピンは、米軍が使える軍事拠点を拡充することで合意した。オースティン国防長官が2日、フィリピンを訪れて会談後に発表し、対中国を念頭に置く防衛協力を深める方針を打ち出した。米国は台湾有事も視野に、同盟国との連携強化を急ぐ。ただ、中国の経済的な吸引力はきわめて強く、国力の限られるフィリピンなどの外交姿勢には揺らぎもみえる。

 オースティン氏は2日、マニラでガルベス国防相との共同会見に臨み、フィリピンが中国と領有権争いを続ける南シナ海問題をめぐり「中国が違法な主張を続けている」と非難した。「米国のフィリピン防衛への関与は鉄壁だ」と強調。米国とフィリピンの防衛義務を定めた米比相互防衛条約が南シナ海にも適用されることを確認し、フィリピンが攻撃されれば、米軍が関与する姿勢を強く示した。

米軍の駐留拠点を新たに4カ所増へ

 フィリピンは、インド洋から中国、日本に至る海上交通の要衝で、台湾、沖縄・九州を結ぶ「第1列島線」に位置する。中国による台湾侵攻や海上封鎖といった事態になれば、バシー海峡を挟んで台湾の南にあるフィリピンの戦略的な重要性はきわめて高くなる。

 オースティン氏はマルコス大…

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