身近なアプリで通知、県警の「どこでもポリス」 ちかん撃退機能も

小山裕一
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 特殊詐欺の発生や不審者の出没といった身近な犯罪、交通事故の情報をスマートフォンで知らせる静岡県警の防犯アプリの運用が、2月から始まった。痴漢などの被害に遭って自分で声を上げられなくても、スマホの画面や音声で周囲に助けを求められる機能も搭載し、犯罪から身を守る役目もある。

 アプリは「どこでもポリス」で、県警の防犯ボランティアを務める静岡済生会看護専門学校の学生、加藤碧(あおい)さん(29)が名称を考えた。加藤さんは1日に県庁であったアプリの完成式典で「どこからでも警察から情報を受け取れ、守ってくれるという期待を込めた」と話した。

 アプリでは、過去1年間の不審者の目撃情報のほか、自転車盗や空き巣などの身近な犯罪、交通事故の発生場所が地図上で表示され、特殊詐欺の電話の状況も掲載されている。重要な情報をプッシュ通知で受け取ることもできる。

 また、「近くのかけこみ先へ行く」というボタンを押すと、最寄りの「こども110番の家」のほか、警察署や交番などへのルートが示され、犯罪に巻き込まれそうになった時の駆け込み先が分かるようになっている。

 アプリには「防犯ブザー」や「ちかん撃退機能」もある。防犯ブザーを鳴らすと、警告音で周囲に知らせ、あらかじめ登録しておいたメールに位置情報を通知する。ちかん撃退機能では画面で被害に遭っていることを表示させ、タップすると「ちかんです」「やめてください」と女性の声が流れるとともに、登録先にもメールで通知される。防犯ブザーとちかん撃退機能ではすぐに110番通報ができるボタンもある。

 アプリの利用者を増やすため、ちょっとした「ゲーム機能」もある。「パトロールをする」というボタンを押して歩き回ると、「防犯ボランティア」として参加したことになり、ポイントが得られる。「巡査」からスタートし、ポイントがたまると徐々に「昇級」。最後は「警視監」まで上り詰めることができる。

 県警はこれまで、複数の公式ツイッターで特殊詐欺の発生状況やサイバー犯罪に対する注意喚起、通行止めの交通状況などを知らせていたが、防犯アプリではこうした情報をまとめて見られるようにした。

 県警生活安全部の担当者は「県民に安全・安心の道具として利用してもらえるように開発した。我々も情報発信を一生懸命やっていきたい」と話している。

 「どこでもポリス」は無料で、アプリストアでダウンロードできる。(小山裕一)

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