「こんなことをやるために、レフェリーになったんじゃない!」
失礼ながら、そんな言葉を想像してしまった。自分が審判だったら、そんな愚痴のひとつでも出てくるだろうな、と……。
Jリーグのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)担当審判によるトレーニングに立ちあった時の話である。
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サッカーを30年以上にわたって取材してきた潮智史記者が独自の視点でつづるコラムを毎週お届けします
日本サッカー協会はシーズン開幕前、審判委員や審判が各Jクラブを回るルール説明会を開いている。
選手や監督に直接、競技規則の変更を伝え、判定基準を示す場だ。映像を使って、「これはレッドカードによる一発退場に相当する」と具体的に説明していく。
ありがたいことにメディア向けの説明会も毎年恒例だ。コロナ下でここ2年はオンラインだったものが、今回は3年ぶりにリアル開催された。
VAR、勘違いしがちなことも
その一部で、試合さながらの「VAR練習」が公開されたのだ。
今回、J1で導入されている…
- 【視点】
こんなことやるためにレフェリーになったんじゃない! 冒頭の心の叫びに、心から共感してしまいました。仕事って責任が重くなればなるほど、最初に抱いた志や自分が本当にやりたかったことから目の前の現実がかけ離れていく。周りの雑音もうるさくなってい
- 【解説】
この記事を読んで頭に浮かぶのは、元サッカープロ審判の家本政明さんのエピソードです。 家本さんはJ2で、退場者を取り違える誤審をしたことがあります。 あるチームの選手が相手選手の足を払うように倒した。レッドーカードを示された選手はい