ウクライナで1月下旬以降、ゼレンスキー大統領の側近を含む政府高官らの汚職摘発が相次いでいます。今、取り締まりを強化する狙いは何か。そもそもどうしてこんなに汚職が多いのか。侵攻前からゼレンスキー大統領らと交流を重ねていた岡部芳彦・神戸学院大教授(ウクライナ政治・経済)に聞きました。
記事のポイント①「臨機応変」が強みのゼレンスキー氏②ウクライナでは長年汚職が横行③汚職撲滅は、戦況にも政権運営にも重要
――岡部さんは、ウクライナを30回以上訪問し、閣僚と交流を重ねてきました。ゼレンスキー政権にはどんな特徴がありますか。
汚職対策を期待されて生まれた政権なので、政治経験のない民間出身者を閣僚にするなど、斬新な人事でした。文化外交が得意なクレバ外相や、IT戦略を率いるフェドロフ副首相兼デジタル変革相など、若くて有能な閣僚がおり、情報戦を制してきました。
一方、幼なじみの起業家を高官に任命するなど、むちゃな人事もありました。そうした政権の問題の解決が、欧米諸国の視線が強まる戦時下で、進んでいるという側面もあります。
ゼレンスキー氏に「セルフィーマン!」と呼ばれ… 垣間見た強さ
――岡部さんは、ゼレンスキー大統領と複数回会っています。どんな人物ですか。
2019年にキーウであった国際会議の後、記念撮影を頼むと、快く自撮り(セルフィー)に応じてくれました。私が自撮りに手間取ったので、ゼレンスキー氏自身がカメラを持ち、シャッターを切ってくれました。
その1カ月後、天皇陛下の即…

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