クロスカントリースキー名門「おと高」 高校総体最後のリレーに挑む
クロスカントリースキーでオリンピアンも輩出した名門校、北海道の音威子府村立おといねっぷ美術工芸高校(通称・おと高)が、7日に山形県で開幕する全国高校総体で部として最後となるリレー競技に臨む。来季は部員不足で個人種目だけの参加となり、その後は休部になる見込みだ。部員たちは健闘を誓う。
音威子府村は北海道北部に位置し、道内有数の豪雪地帯だ。おと高クロカン部の部員は3年生が男子4人と女子2人、2年生が女子2人の計8人。1月に名寄市で開かれた北北海道予選会の個人種目(クラシカル、フリー)で男子3人、女子4人、リレーで男女(男子4人制、女子3人制)が全国大会への出場を決めた。
主将を務める後藤大志さん(18)は「男子は1年の時からこのメンバーでリレーに出てきた。最後だから初入賞、全員がベストなら1桁入賞も夢ではない。女子とともに有終の美を飾りたい」と意気込む。
定年後も再任用や会計年度任用職員として残り、指導を続けてきた顧問の棚橋栄治さん(65)は「リレーだけでなく個人も期待している」と話す。
おと高クロカン部は全国高校総体の学校対抗総合優勝に男子が4回、女子は1回輝いた。個人でもジュニアオリンピックでの優勝のほか、ノルディックスキージュニア世界選手権の日本代表にも男女7人が選ばれた。冬季五輪には吉田圭伸さん(36)と蜂須賀明香さん(30)がそれぞれ2大会連続出場を果たした。吉田さんは村の中学出身だ。
昨春、期待していた有望選手数人が他校へ進み、新入部員が入ってこなかった。この春も入部の予定はない。棚橋さんは来季まで、陸路で300キロ余り離れた赤井川村出身で2年生の双子の姉妹を指導し、クロカン部の活動に区切りをつける覚悟を決めた。「休部」扱いではあるが、棚橋さんのほかに指導できる教員はおらず、実質的に廃部になる見通しだ。
村には全日本と国際スキー連…