中国の「スパイ風船」?滞在時間長め 「監視目的あきらか」
ワシントン=下司佳代子 北京=高田正幸
米国防総省は2日、中国のものとみられる監視用の気球が米本土上空を飛行していると明らかにした。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の関連施設がある地域で、機密情報の収集を試みた可能性がある。米国は戦闘機を派遣して撃墜も検討したが、当面は見送った。一方、中国政府は、中国からの気球であると認めつつも、「民間のもの」「不可抗力だった」と釈明した。
米メディアは気球を「スパイ風船」と報じており、米世論の反発も避けられない。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米国は近く予定していたブリンケン国務長官の訪中の「無期限延期」を決めたと報じた。
国防総省のライダー報道官によると、気球は米本土の上空を飛んでおり、米国とカナダの「北米航空宇宙防衛司令部」が追跡と監視を続けている。飛行の位置は民間航空機よりかなり高く、地上の住民への脅威もないとみている。ただ「機密情報の収集を防ぐ行動を直ちにとった」という。対応の詳細は明かさなかった。
国防総省高官は、気球が中国…