眠れぬ子どもたち、改善のポイントは 世界的に短い日本人の睡眠時間

ニュース4Uフォーラム

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 日本人の睡眠時間は、世界的にも短いとされています。経済協力開発機構(OECD)が2021年に発表したデータでは、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で加盟30カ国の最下位。その傾向は子どもたちにも表れています。小中高生の睡眠に関する困りごとを、読者から募りました。

 愛知県の公立小に勤務する女性(47)は、担任する6年生の様子が気がかりだ。学校では、コロナ禍になってから、心身の健康状態を尋ねるアンケートを行っている。睡眠の項目では、眠れないことが「少しある」「かなりある」「非常にある」の子どもたちを合わせるとクラスの半数ほどになる。

 「自分が子どもの頃は、たくさん遊んで夜には疲れて寝ていたので、眠れない子の多いことに驚いた」

 修学旅行では、午前0時を過ぎてもぽつんと起きている子がいた。声をかけると「いつも眠れないから」という答えだった。コロナ禍を機に外遊びの時間が減り、体力を持て余しているように感じる。スマホで動画観賞やゲームをするのも一般的になった。児童の8割以上が自分専用のデジタル機器を持っていて、1日5~6時間使っているという子もいる。

 「一番心配なのは、眠れなくても困っている様子がないこと。睡眠がなぜ大切か、どうすればよく眠れるかをもっと伝えていく必要があると思います」

 東京都の女性(52)は、高校2年の長女と1年の長男の睡眠に悩んでいる。長女は、予備校が終わる午後10時過ぎから学校の課題をするが、終わらないまま午前0時半ごろに寝る。翌朝4時半に起き、「眠くて倒れそう」と言いながら机に向かう。

 長男は通学時間が長く、午前6時半に家を出る。放課後には部活があり、午後9時過ぎに帰宅。食事や入浴をバタバタと済ませる。部活は週6日あり、ほぼ毎日がその生活だ。

 「学校も塾も部活も、子どもたちにカツカツまでやることを求めてくる。睡眠はおろか、ぼんやりする時間もない。忙しすぎて、この時期に必要な時間の過ごし方ができていないように感じます」

良い睡眠のためのアドバイス

体内時計のリズムを保つため、生活習慣を整える

・夜ぐっすり眠れるよう、日中に適度な運動を習慣づける

・布団の中でスマホやゲームはしない

・朝は日光を浴び、朝食をとる

・体内時計のリズムの夜型化につながるため、夜食は控える

・必要な睡眠時間を確保し、脳と体を休ませる

・昼寝をするなら午後3時くらいまで。長くても20分以内

カフェイン摂取を控え、日没後は暖色系の照明の部屋で過ごす

・平日と休日の睡眠リズムが大きくずれないよう(2時間以上)注意する

*東大などが進める「子ども睡眠健診プロジェクト」の資料から作成

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    藤田結子
    (社会学者=文化・コミュニケーション)
    2023年2月5日11時34分 投稿
    【視点】

    重要なテーマの記事です。一点付け足すと、子どもの睡眠不足の要因の1つとして、母親のワンオペ家事育児、父親の帰宅時間の遅さも影響しているかもしれません。 日本の女性の睡眠時間はOECD最短レベルで、その原因として、女性の家事育児介護の時

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