ドルーリー朱瑛里選手、報道などの自粛を求める声明 次レースは欠場

[PR]

 今年1月に開催された全国都道府県対抗女子駅伝で17人抜きの快走をみせた岡山県津山市の中学3年、ドルーリー朱瑛里(しぇり)選手が3日、代理人弁護士を通じて報道陣やファンへのコメントを発表した。

 大会後に過熱している報道やファンの動画利用に対する不安を明らかにし、最大限の配慮を求めている。5日に出場を予定していた琵琶湖クロカン(滋賀)への出場を見送ることも明らかにした。

 ドルーリー選手が発表したコメントは以下の通り(原文のまま)。

 令和5年(2023年)2月5日に開催が予定されている琵琶湖クロカン(「BIWAKOクロカン2023」)を欠場する事を決めましたので、コメントをさせていただきます。

 クロカンは走ったことがなく、挑戦したい気持ちで申し込みをしましたが、先日の晴れの国駅伝を経験して、報道の方々の対応や、周りの方々からの撮影や声かけの対処にとても不安を感じましたので、やむを得ず琵琶湖クロカンには出場しない決断をしました。

 都道府県対抗駅伝後の環境の変化で、練習が以前のように自由にできなくなり、過度な報道で精神的にも疲れることが多かったです。自分が発言していないのに、学業や趣味など陸上以外の事も大きく報道されて戸惑いました。

 一部の雑誌記者は近所や関係者に取材し、同級生の自宅も調べて取材を行ったようです。私のために、周りの方々に迷惑をかけることはしたくありません。過度な取材は今後控えていただきたいです。

 YouTubeやTikTokには、たくさん私の動画が上がっています。応援の思いも込めて動画をアップしてくださっているのだと思います。気持ちはとても嬉しいのですが、私の肖像権を無視して動画等をインターネットに上げる行為はやめていただきたいです。また、収益目的で名前と画像等使用することもやめていただきたいです。今後もっと無断で撮影される事が増えていくのではないかと考えると、とても不安です。

 高校生になっても、陸上は続けていきます。もっと記録を伸ばせるように、努力しようと思っています。私は可能な限り普通の生活をしながら、陸上を続けていくことを希望しています。そのため、報道の方々、応援してくれる皆さまには、もしどこかで見つけたとしても、動画を撮ったり、声かけは控えて欲しいです。そっと見守っていただけるとありがたいです。

 琵琶湖クロカンの関係者の皆さまには、色々とご協力をおねがいしていたにもかかわらず、急に出場をとりやめる形を取ってしまった事申し訳なく思っています。応援を予定してくださっていた方々にも、申し訳なく思っています。また、次のレースで活躍できるように頑張りますので、その時には影でそっと応援をしていただけたら嬉しいです。

 ありがとうございました。

ドルーリー朱瑛里

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2023年2月4日1時20分 投稿
    【視点】

    まだ中学生でこのステートメントを出したことが素晴らしくて、アスリートのお手本だと思いました。メディアに対して、アスリートが自ら「過度な取材は今後控えていただきたい」と言えるのは立派。通常であれば、所属や連盟・協会から言ってもらうことが圧倒的

  • commentatorHeader
    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年2月4日11時55分 投稿
    【視点】

    中学生が自分の口から「過度な取材は控えてください」と言わなくてはならない現実が、スポーツをめぐる大人の無力さを示していると感じます。 無駄で過度なクローズアップ、アイドルまがいの記事。そこに違和感を抱かない視聴者、読者。競技関係者。その人