米上空に「スパイ風船」? 飛行の目的や公表の意図は 専門家に聞く

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聞き手・新屋絵理
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 米国防総省は2日、中国のものとみられる監視用の気球が米国の上空を飛行していると明らかにしました。米メディアは「スパイ風船」とも報じています。この事態をどう見ればいいのか。米中の安全保障に詳しい静岡県立大学グローバル地域センターの西恭之・特任准教授に聞きました。

 ――今回の事態をどう見ますか。

 ありうる話だなと思いました。中国は10~20年前から、成層圏の利用への関心が高かった。中国がいつごろから気球を使っているのかはわかりませんが、遅くとも2015年には、成層圏に行ける無人飛行船を持っていました。ただ、米国上空に行ったわけではなく国内で使っていたようです。

 ――気球にはどのような特徴があるのでしょうか。

 空気が薄い成層圏上層では、一般的なジェット機は燃料を燃やせないので飛べません。一方で、空気抵抗はあるため、動きが速い人工衛星ではそのスピードが落ちてしまう。気球はこうした点が問題になりません。また、気球は人工衛星に比べてコストが低く、レーダーで見つかりにくいため、攻撃されにくいという潜在力も持っています。

 太平洋戦争中の風船爆弾と…

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