所得税のN分N乗方式、「異次元の少子化対策」の切り札なるか?

有料記事

松山尚幹
[PR]

 岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」をめぐり、子どもが多い世帯ほど所得税の負担が軽くなる「N分N乗方式」が国会論戦で連日取り上げられている。フランスで導入され、少子化対策に効果があったとされるが、政府は慎重な姿勢を見せる。日本で導入した場合はどうなるのか。

与野党に論者

 N分N乗方式に関心が集まったのは、1月25日の衆院本会議での自民党茂木敏充幹事長の発言だった。

 「第2次世界大戦後のフランスでは、家族の人数が増えれば増えるほど減税につながるN分N乗方式という画期的な税制を導入した」

 茂木氏は30日にもネット番組で「どこまで効くかは、その国の状況に合わせて考えていかないといけない。ただ、インパクトがあることはある」と、前向きな姿勢を示した。

 国会では、日本維新の会の馬…

この記事は有料記事です。残り1116文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    中川透
    (朝日新聞編集委員=経済、暮らしとお金)
    2023年2月3日21時28分 投稿
    【視点】

     「N分N乗」という聞き慣れない言葉のインパクトでとても目新しい制度に感じますが、以前から国会で話題になっては、しぼんできました。おおもとの考え方は、税金をかける単位を今の個人単位から、フランスのような世帯単位に変えること。両国の課税単位が