米IT大手の減速鮮明、アップル4年ぶり減収 人員削減で効率化急ぐ

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サンフランシスコ=五十嵐大介
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 コロナ下のデジタル化で急成長してきた米IT大手の減速が鮮明になった。世界的な物価高(インフレ)や主要国の利上げで景気後退の懸念が広がるなか、人員削減を進め、効率化を急ぐ。「一人勝ち」だったIT大手が試練に直面している。

 2日出そろった米IT大手5社の2022年10~12月決算では、アップルの売上高が前年同期比5%減の1172億ドル(約15兆円)で、2019年1~3月期以来約4年ぶりの減収となった。年末商戦の稼ぎ時にもかかわらず、中国のゼロコロナ政策で工場が停止に追い込まれ、最新のiPhone(アイフォーン)「14」の生産に影響が出た。純利益は13%減の300億ドル(約3・9兆円)で、約3年半ぶりの落ち込みとなった。

 ティム・クック最高経営責任者(CEO)は2日の決算発表で、減収の要因として、為替の影響やコロナによる供給制約、世界の経済情勢を挙げた。クック氏は「インフレや東欧の戦争、長引くコロナの影響など、世界は引き続き前例のない状況にある。アップルも影響を免れない」と説明。ドル高の影響で国外の売り上げが目減りした影響も響いている。

 グーグルの親会社アルファベットは、売上高が1%増の760億ドル(約9・8兆円)、純利益は34%減の136億ドル(約1・8兆円)だった。売上高の約8割を占める主力の広告事業が約4%減少し、全体の売り上げはコロナの感染が広がった20年4~6月期以来の低い伸びとなった。米メディアによると、グーグルの広告事業が減収となったのは04年の上場以来、過去に1度しかなかったという。

 コロナ下での急激なデジタル化に対応するため、米IT大手はこの数年で人員を大幅に増やしてきた。だが、感染状況が一服したことで巣ごもり需要が減退。景気後退への懸念も加わり昨年に入り業績の伸びが鈍化した。各社とも大幅な人員削減を強いられている。グーグル、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、マイクロソフト(MS)の4社が昨年11月以降発表した人員削減は合計5万人を超えた。

 メタは3四半期連続の減収だ…

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