個人情報の墨塗り文書、閲覧できる状態に 国税不服審判所がミス謝罪
東京国税不服審判所は3日、個人情報をふくむ文書の開示請求に応じた際、本来は隠すべき情報を閲覧されうる状態で開示するミスがあったと発表した。2021年7月から今年1月にかけて、246件にのぼる。
ミスがあったのは、追徴課税など国税局の処分が不服だとして審査請求した人に対する裁決書の電子データ。開示した裁決書は、パソコン操作で手を加えると、個人情報などマスキング(墨塗り)した部分が外れてしまう状態だった。
246件のうち33件は開示請求者によってインターネット上に掲載されていたが、墨塗り部分の情報漏洩(ろうえい)などは確認されていない。
不服審判所によると、裁決書には審査請求人の氏名や住所、所得金額、追徴税額などが記され、開示する際にはこれらの部分を墨塗りにしている。
本来は電子化された裁決書をいったん印刷し、印刷後の文書を電子データに戻して開示する必要があったが、担当職員が印刷作業そのものをしていなかったことが原因という。
不服審判所は、開示請求した16人に個別に謝罪したうえで、データを回収して削除。今後、246件の裁決書に関係する審査請求者297人に対しても経緯を説明し、個別に謝罪するとしている。
同所は「事態を重く受け止め、開示する際の確認作業を徹底する」としている。(原田悠自)
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