三井物産、純利益が初の1兆円超 23年3月期予想、三菱も上方修正
三井物産は3日、2023年3月期(国際会計基準)の純利益が1兆800億円になるとの見通しを発表した。9800億円としていた昨年11月時点の予想を上方修正した。同社の純利益が1兆円を超えるのは初めて。ひところよりは落ち着いたとはいえ、資源エネルギー高や円安効果が業績を押し上げた。三菱商事も23年3月期(同)の純利益予想を1兆300億円から1兆1500億円に上方修正した。
三井物産が引き上げた1千億円のうち、米国産液化天然ガス(LNG)の取扱量の増加などエネルギー部門が800億円、市況が堅調に推移した原料炭や鉄鉱石などの金属資源部門が150億円を占める。
一時は1ドル=150円台をつけた円安は和らいだが、それでも年度当初の計画と比べると1千億円規模の業績押し上げ効果が見込めるという。22年4~12月期の純利益は8407億円だった。
ロシアのウクライナ侵攻などで混乱したエネルギーや資源の市場は正常化しつつあるものの、供給網(サプライチェーン)への不安は拭いきれていない。重田哲也・最高財務責任者は、今後とも「(商社として安定供給などの)役割を発揮できる」と説明した。
三菱商事も、原料炭やLNG関連事業などで利益の上積みが見込めるとして業績予想を引き上げた。22年4~12月期の純利益は9557億円で、通期の純利益が過去最高だった22年3月期の9375億円を既に上回った。(青田秀樹)
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