気づけば30歳になっていた。鹿島アントラーズ一筋の土居聖真だ。
「年、取ったなと思いますよ。今まで体のケアとかしなかったけど、やっとかなきゃと」
そう苦笑いする。
鹿島の下部組織に加わったのは中学1年生の時だ。トップチームに昇格し、2013年以降のリーグ戦では毎年10試合以上に出場。リーグ戦300試合出場も間近に迫る。
獲得したタイトルはリーグ優勝1度、リーグカップ3度、天皇杯1度、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1度。16年には、クラブワールドカップ(W杯)決勝で、レアル・マドリード(スペイン)と延長にもつれ込む勝負を演じた。ここ4年間、タイトルを取れていない鹿島にあって、「常勝」の重みを知る一人だ。
昨季は主将を任された。その経験を生かすことが期待された。
だが、厳しいシーズンになった。出場は23試合にとどまった。
「いろんな意味で苦しかった。けがを抱えながらで、ストレスもあって」
昨年の春先から恥骨を痛めていたという。インサイドキックを蹴っただけで痛みが走ったが、休まずプレーを続けた。本来のパフォーマンスは、出せなかった。
昨年冬から、休まずにリハビリに取り組んできた。今年に入ってからのキャンプでは、調子を取り戻しつつあると感じることができた。
オフは、自らの体を見直す機会にもなった。
「甘党だったんですけど、チ…
- 【視点】
鹿島アントラーズ一筋の土居選手。まだ20歳そこそこで試合に出始めたばかりの頃、私もよく取材させていただきました。あの土居選手が30歳とは。感慨深いです。 土居選手、忖度の人です。 何かとネガティブな印象の強いこの単語ですが、サッカーのピ