気球問題で中国が米に反発 「中傷に断固反対」 関係改善に影響必至

有料記事

北京=林望
[PR]

 米本土上空を飛行した中国の気球を米側が「スパイ風船」などと問題視していることに対し、中国外務省は4日、「中国を中傷することに断固反対する」との報道官声明を出した。ブリンケン米国務長官が訪中を延期したことには「両国の外交関係者の責務は予想外の状況に冷静かつ穏当に対処することだ」と述べた。

 声明は問題の気球について「気象分析などの科学研究に使われる民間のもので、西風の影響でコントロールを失い、予定のコースから大きく外れた」と改めて主張し、「不可抗力によって生じた予想外の状況だ」とした。

 米側が機密収集を目的とした「スパイ風船」(米メディア)などとしていることに対し、「米国の一部の政治家やメディアが中国を責め立て、中傷することに断固反対する」と強く反発した。

 この問題で、米政府は予定していたブリンケン国務長官の訪中を中止した。これについて中国外務省の声明は「両国外交関係者の責務は、予想外の状況に冷静かつ穏当に対処し、両国関係を適切にコントロールすることだ」と反発した。

 ただ、「中米双方とも(ブリ…

この記事は有料記事です。残り203文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    江藤名保子
    (学習院大学法学部教授=現代中国政治)
    2023年2月4日14時37分 投稿
    【視点】

    このところ、中国政府の様々な施策に「巧みさ」がない印象があります。コロナをめぐる急速な政策転換、日本に対するビザ発給の一時的な停止、そして今回のブリンケン訪中直前の気球問題。いずれも中国自身が望まないネガティブな結果をもたらしています。不動