カメと思っていた化石、恐竜の卵だった 研究者「若い頃の自分反省」
杉浦奈実
熊本県御船(みふね)町で恐竜の卵の化石が見つかった。九州では初めて。後期白亜紀(1億50万年前~6600万年前)の地層からは国内初の発見で、東アジア沿岸域での恐竜の進化の解明につながる可能性がある。
御船町恐竜博物館が4日に発表した。7日から常設展示室入り口で公開する。
発表されたのは卵の殻の一部の化石2点で、一つは長さ27ミリ、幅10ミリ、厚さ1・7ミリ。もう一つは長さ25ミリ、幅15ミリ、厚さ2ミリほど。球形だったとすると直径5~7センチほどで、野球ボール大だったとみられる。
2001年と03年に町恐竜博物館が発掘調査し、町内の天君ダム下流の後期白亜紀の地層(約9千万年前)から発見した。この地層は御船層群上部層として知られ、恐竜やほかの爬虫(はちゅう)類の化石が多く含まれる。
03年に発掘したものは、板状の形や厚みから、いったんは周辺でよく見られる「カメ化石」として保管した。昨秋、断面の構造を顕微鏡で詳しく調べると、内側の層に円錐(えんすい)形の構造が見られ、その外側に柱状の構造が並んでいた。こうした特徴から中国の白亜紀層から報告されている「スタリコウーリサス卵科」の「コラロイドウーリサス卵属」によく似ていることが分かったという。
卵の化石は、それだけではど…