学校の実情を政治家に伝えて政策につなげようと、大阪府内の教員らが2020年から議員との意見交換会を重ねている。どのような話題が出ているのだろうか。1月に大阪市内で開かれた会合を取材した。
《「さまざまな考えを持つ方が集まって、みんなでよりよい大阪の教育をつくっていこう」を趣旨とする会です。「この人は○○党だからいい、悪い」と党別で語るような発言や「敵」を叩(たた)きのめそうとするような発言はお控えください。》
1月29日にあった「教職員×議員 学校の現実を本音で語る会」。開始前に配られた「参加者ルール」の紙に、こう書かれていた。
ルールを決めて胸襟を開く
主催者の一人、大阪大大学院の佐藤功教授は「世の中が敵と味方に分かれ、『何を言うてる』より『誰が言うてる』が大事になっている」。ルールを決めた上で、現場の教職員と議員が胸襟を開いて話し合える場にしたい、と考えた。
会場に集まったのは教職員ら約40人。主催者の参加呼びかけに応じた現職の府議らも出席した。
第1部のパネルトークでは、大阪維新の会の紀田馨府議(47)が府立高校の再編整備について話した。12年施行の府立学校条例では「3年連続で定員割れし、その後も改善する見込みがない場合は再編対象」とある。再編を進めようとすると「母校がなくなる」卒業生や元教員らから反対が多く出ることから、対象校を決める「一定の指標」が必要だった、と説明した。
府内の公立中学校教諭の川上典子さん(29)から質問が出た。「経済状況から自転車で通える高校を選ばざるをえない子がいる。成績の問題で選択肢が少ない子の選択肢が再編整備でさらに減る。どんなフォローを考えているのか」
高校再編で府議「ここまで極端とは」
紀田府議は「基本的に、偏差…
- 【解説】
弊団体の取り組みをご取材いただきました。敵ー味方でレッテルを貼り合って批判の応酬に陥ることが多い世の中。このような場で、実際に人と人として思いや考えを深堀して聞いていくと、「意見は違うけど、そちらからはそう見えてるんですね」とか「結論は違う
- 【視点】
私も取材したことがあります。日本維新の会の議員を招いての会。 始まる前、会場内はぴりぴりした空気に包まれていました。そこに議員が登場。定員割れが続く高校を統廃合しようという意見をおっしゃいました。 「あまりに乱暴」「定員割れしても、そこ