秘書官の差別発言、野党は徹底追及へ 自民内にも「国会荒れる」懸念
首相を支えるはずの首相秘書官が、自らの差別発言で更迭されるという極めて異例の事態に野党は猛反発する。岸田文雄首相が同性婚の法制化に極めて慎重な姿勢を示したことと合わせ、6日から再開される国会審議で多様性への理解がない「政権の体質」が浮き彫りになったとして徹底的に問いただす方針だ。
立憲民主党の泉健太代表は4日、徳島市内で記者団に「排除、排他性を持つ恐ろしい発言で、社会を分断に陥らせる内容だ」と憤った。荒井氏が首相の「スピーチライター」だった点に言及し、「官邸の中の空気が多様性や包摂とはほど遠くなっているのではないか。あらためて首相の説明を求めたい」と語った。
共産党の小池晃書記局長は「性的少数者への差別意識に満ちた暴言だ。首相の任命責任が問われるのは当然だ」と指弾した。荒井氏が同性婚について「秘書官室もみんな反対だ」と述べたとされる点を特に問題視する。「側近の価値観と首相自身の価値観が同じなのかが深刻に問われるべきだ。首相は反省するのであれば、国際的な水準である同性婚の法制化を実現させるべきで、口先だけの反省では済まされない」と語った。日本維新の会の藤田文武幹事長は「大変不適切な発言であり、処分は当然だ」と述べた。
国会では6日から衆院予算委員会が再開され、8日には首相が出席する集中審議が控える。立憲の国会対策委員会幹部は「来週の予算委はこの話題で一色になる。自民党政権の体質につながる問題だ」と語り、徹底追及する構えをみせる。
与党側からの反発も強い一方…