秘書官発言に欧米メディア「岸田氏、困惑の種」 一方、ロシアでは

岸田政権

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 性的少数者同性婚をめぐって差別的な発言をした荒井勝喜・首相秘書官の更迭は、海外メディアでも報じられた。5月に広島市主要7カ国首脳会議G7サミット)を控えるなか、先進国のなかで同性婚を認めていない日本の異質性と合わせて取り上げられた。

 ロイター通信は、日本は過去70年間のほとんどで保守的な自民党の政権が続いてきたとしたうえで、日本以外のG7の国では、同性の結婚もしくは結婚に準じるパートナーシップが認められていると説明。荒井氏の発言は「5月にG7の首脳を迎える準備をしている岸田氏にとって、困惑の種だ」と報じた。

 AP通信は、日本では性的少数者らへの偏見が根強く残ると指摘。同性婚を認めていないとしつつ、認めようとする動きは高まっているとも報じた。岸田政権で閣僚らの辞任が相次いでいることに触れ「人気が揺らいでいる」と報じた。

 一方、性的少数者(LGBTなど)の情報発信を事実上、禁止したロシアの国営タス通信は、荒井氏の発言を紹介し、「岸田首相が率いる保守の自民党議員の多くは認めることに反対している」と伝えた。

 国営ノーボスチ通信も昨年11月、東京地裁が同性婚を認めないのは違憲だとの訴えを退けたとし、「裁判所は、判断は国会の裁量に委ねられると考えている」と伝えた。ただ、東京地裁が「同性愛者がパートナーと家族になる制度が存在しないのは、憲法24条2項に違反する状態にある」との見解を示したことは報じなかった。

 ロシアでは昨年12月、「同性愛宣伝禁止法」にプーチン大統領が署名して成立した。性的少数者を小児性愛などとまとめて「非伝統的な性的関係」だとし、メディアや書籍を含めて情報発信をほぼ禁止する。すでに違法とみなされる恐れのある本の公開を取りやめたほか、大手書店で販売を取りやめた。

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