都立中高一貫校の問題 特徴は? 塾講師が語る「合格に必要な力」
東京都立中高一貫校10校の入試にあたる「適性検査」が3日にありました。今年の問題の特徴や難易度はどうだったのか。栄光ゼミナールの都立中高一貫校対策塾「E-style(イースタイル)」の指導統括責任者、石原裕一郎さんに聞きました。
――10校のうち、多くの学校が採用する共通問題の難易度はどうでしたか。
国語にあたる「適性検査Ⅰ」の共通問題の難易度は、採点基準の厳しさをどう設定するかで変わりますが、問題自体の難易度はやや下がったとみています。算数、社会、理科の3教科からなる「適性検査Ⅱ」の共通問題は昨年と同等か、やや解きやすくなった印象です。
国語は取り組みやすく 各校の問題に共通する特徴も
――具体的な特徴は。
適性検査Ⅰでは、該当する箇所を抜き出して書き写させる問題が出ました。これまでにない形式で、従来の自由記述形式よりかなり答えやすかったでしょう。
この問題に時間をかけずに済んだことで、時間配分に余裕ができた受験生もいたのでは。一方、作文(400~440字)は二つの異なる文章を読んで共通している考え方をまとめて示すもので、ここだけに限れば昨年よりも少し難しかったかもしれません。
適性検査Ⅰの問題や一部の学校の独自問題も含めて印象的だったのは、これからの学校生活でどう学ぶかを問うなど、「学び」について扱う文章や問題が目立ったことです。受検のことだけでなく、中学校でどんな勉強をしたいか具体的に考えたり家庭で話したりしていた子は対応しやすかったとみられます。
例年の傾向、今年も
――適性検査Ⅱについては。
例年のことですが、共通問題の算数は非常に手順が複雑な問題でした。長い会話文など読まなければならない情報が多く、大人が解いても難しいと感じる内容です。問題自体は昨年より少し取り組みやすくなったとはみていますが、それでも手順が多い点は変わらず、解答に時間がかかる傾向が維持されました。
一方で社会は、例年出される、図表を参照して答える問題がやや読み取りやすかった。理科は、示された実験データから考察する問題で解く側が何をすべきかがわかりやすく書かれており、いずれもやや易しくなったと感じました。
■どの問題から解くべきか…