過酷な労働環境、頼れぬ「相談先」 外国人実習生の失踪が相次ぐ背景

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小川尭洋
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 東北でも、農業や漁業、建設の現場などで欠かせない存在の外国人技能実習生。人材育成を通じた国際貢献という理念の一方で、実習生が理不尽な扱いを受けるなどして失踪する例がいまも絶えない。実習生の労働相談に対応できる労働組合が多くないことも失踪の一因と言えそうだ。

 インドネシア出身のアフマッドさん(26)は、宮城県内の住宅メーカーの下請け工場で働いていたが2021年末の冬休み、過酷な労働環境に耐えられず、県外へ逃げ出した。

 実習生として初めて来日したのは20歳だった17年5月。「家族のために稼ぎたい」と、渡航費で親から50万円を借りた。実習先の仕事は、住宅の床や屋根などの製造。節約しつつ、3年で約250万円を家族に送った。「職場環境が良く、休日も充実していた」と振り返る。

 一時帰国の後、20年11月…

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