東大寺修二会とは 橋村公英管長に聞く 5月に大阪で声明の特別公演
岡田匠 聞き手・岡田匠
「お水取り」として知られる奈良・東大寺の「修二会(しゅにえ)」。今年は初代別当(べっとう)(住職)の良弁(ろうべん)僧正(そうじょう)(689~774)の1250年遠忌(おんき)で、修二会期間中に二月堂で唱えられる声明(しょうみょう)が、大阪国際フェスティバルの一環として大阪・中之島で5月に特別公演される。寺外での披露は14年ぶり。修二会とは何か、僧はどんな気持ちで声明を唱えるのか。橋村公英(こうえい)管長に聞いた。(岡田匠)
修二会は旧暦2月に行われる行法のことで、十一面悔過(けか)法要です。人間は間違ったことをします。それが積み重なり、現在の自分、未来の自分、ほかの人にも影響します。たとえば、「戒」をおろそかにしましたと告白し、間違っていたと懺悔(さんげ)する。これが悔禍です。
二月堂の本尊の十一面観音に懺悔するので、十一面悔過といいます。修二会では、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11人の僧が自分自身のみならず、人々にも代わって懺悔し、五穀豊穣(ほうじょう)や世界平和を祈ります。
修二会が始まったのは奈良時…