大村氏がこれから問われるもの 議論が深まらなかった愛知県知事選
小林圭
今回の愛知県知事選には、1951年の7人に次ぎ、47年に並んで過去2番目に多い6人が立候補した。過去2回の知事選が現職の大村秀章氏と新顔の一騎打ちだったのに対し、今回、多くの候補者が立ったことは、政治の現状に対する不満の表れと言えるだろう。
選挙戦最終日、4人の候補者が名古屋駅東口前の100メートルほどの範囲で同時に活動する場面に出くわした。候補者の演説の場所と時間が重なった場合、譲り合うのが慣例だ。選挙カーがすれ違う際には、手を振り合い、エールを交換することもある。
だが、私が目撃した現場は違った。候補者同士が、お互いの声をかぶせるように演説し、批判も飛び交った。騒然とするなか、足を止めて演説を聴こうとする人はほとんどいなかった。選挙期間中、こうした光景を何度も目にした。
多様な意見を交わすことは…
- 【視点】
今回、候補者の演説を街頭で5回ほど聞きましたが、記事にあるように、一部の候補者で、自分の選挙活動を別の候補者の選挙活動にぶつけてくるような場面を何度か目にしました。一種の選挙戦略なのかもしれませんが、自分の主張は本来、広く有権者に向けて訴