バスケ選手が苦しむ前十字靱帯断裂 復活遂げた体験者から学べること

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松本龍三郎
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 高校バスケットボール界は、新チームによる新人大会が全国各地で佳境を迎えている。

 2年生、1年生の選手たちは新たな目標に向かい、日々の練習に一生懸命取り組んでいることだろう。

 なかには自身の成長を実感し、希望に満ちあふれる選手もいれば、思い通りのプレーができずに伸び悩む選手もいるはず。とりわけ、ケガでコートに立てない選手は、焦りや不安を抱えているのではないか。

 そんな選手へ、この「先輩」の経験と教訓を共有したい。

 福岡大大濠高校でキャプテンを務めた鍋田憲伸選手(3年)。彼は高校入学後、ひざの前十字靱帯(じんたい)断裂を2度経験した。

 1度目は2年生の5月、練習中に右ひざを断裂。再建手術を受け、万全な状態に戻るまで10カ月近い長期のリハビリに耐えた。

 新チームのキャプテンに任命され、実戦復帰もかない、いよいよ最終学年を迎える直前……。昨年3月、今度は試合中に左ひざの靱帯(じんたい)を断裂した。

 それでも鍋田選手は諦めることなく、復帰への道を地道に、着実に、歩んだ。そして、前年王者として臨んだ昨年12月の全国高校選手権(ウインターカップ)で、2年ぶりの公式戦出場をかなえたのだった。

 1~3回戦ではひざの調子を見ながら徐々に実戦感覚を取り戻すと、準々決勝の静岡・藤枝明誠戦では、競った展開が続くなか、30分以上コートに立った。

 チームが目標とした2連覇には届かなかったが、それでも鍋田選手個人について言えば「奇跡的」な復活劇だったと改めて感じる。

 2年間も公式戦から遠ざかり、戻ってきた舞台がいきなり日本一を決める大会。それも前年優勝チームに入って、いきなり主力級の働きを見せたのだから。

 ウインターカップの大会中に鍋田選手を取材し、記事にした。内容を簡潔に言えば、復帰までのストーリーだ。ただ、そこでは伝えきれなかったこともある。

 もう20年前の話だが、私も高校時代はバスケットで全国大会をめざした。前十字靱帯を断裂した同級生や先輩を何人も見てきた。全員が全員、鍋田選手のように復活できるわけではない現実も知っている。

 経験したから語れる後悔や教訓を、全国で同じようなケガに苦しむ人に伝えてほしい――。そうお願いすると、鍋田選手は試合後に快く応じてくれた。

 鍋田選手が警鐘を鳴らしたの…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年2月6日18時56分 投稿
    【視点】

    私も大学までバスケットをしていました。鍋田選手とは比べ物にならないポンコツでしたが、ひとつ気になったことを伝えさせてください。 記事は選手への助言となっています。選手にとって貴重な体験談だと思います。が、同時に指導者も考えていただきたいト

  • commentatorHeader
    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2023年2月6日15時43分 投稿
    【解説】

     スポーツにおける大けがは、相手選手との接触などの突発的な要因とともに、プレーの中で持つ癖が肉体に過剰な負荷を与え、蓄積させることが原因になります。  だから、日々のトレーニングで、立つ姿勢や走り方を改善しよう、という鍋田選手の体験からく