第5回2月24日、誕生日祝うはずだった 砲撃、略奪重ねたロシアの勘違い

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ボフダニウカ〈キーウ近郊〉=杉山正
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 ロシアの侵攻は、多くの市民にとって予期していなかった現実だった。ロシア軍は一時、首都キーウ近郊を占領した。故郷が占領された市民に話を聞いた。

キーウ近郊ボフダニウカ、国際NGO職員オレーナ・ドロトワさん(48)

 戦争が始まった2月24日は私の誕生日です。会社員の夫とは、レストランでお祝いをしようかと話をしていました。

 「何か起こりそう」という雰囲気はありましたが、「まさか」という思いが勝っていました。平穏な生活がかき消されるとは思いもしないものなのです。

 前日の23日からキーウにいました。24日早朝に爆発音が聞こえ、戦争が始まったことを知りました。缶詰や医薬品を買いに走りました。事前に何の準備もしていなかったのです。

 キーウから車で自宅に戻ると、近所の軍施設は破壊されて煙が出ていました。夫は領土防衛隊に入り、軍兵士として前線に行きました。私は家財を守るために自宅にとどまりました。ロシア軍が私たちの町にまで来たのは、12日後です。住宅に砲撃し、略奪し、市民を殺害しました。

 私は何度もロシアに行ったことがあるし、親戚もいる。自宅パーティーにロシア人が来て、政治の議論をしたこともある。考え方は違うけれど、ここまで非道だとは思わなかった。見誤りました。

 占領下で10日余りを、屋根…

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