石見銀山は衰退した? 脈々と継がれる「真の遺産」とは
年明け早々、島根県にある世界遺産・石見銀山に行ってきた話の続きです。
日本は昔、最盛期に世界の3分の1の銀を産出し、そのかなりの量を石見産が占めて世界経済に影響を与えていた。一説によると石見銀山周辺の人口は約20万人だったのに、今は400人ほどに減ってしまった。ここまでが前回の話でしたね。
石見銀山の中心地である大森地区には江戸時代の町並みが今でも残っています。代官所や武家屋敷、銀で財を成した商家などが軒を連ねている中で、神社仏閣がやたらと多いことに気づきます。
当時の人々は30歳を迎えるとお祝いをしたそうです。鉱山労働には危険がつきものですから短命な人が多かった、ということですね。過酷な労働条件下で神仏に安全を祈願し、今日も無事に帰って来られたことを感謝する。これらは日常生活に溶け込んだ大事な行事だったんでしょう。
石見銀山が世界遺産に登録さ…