「濃霧の中を走っているよう」 逆境の安倍系の下関市議 選挙で苦戦

有料記事

山崎毅朗
[PR]

 故・安倍晋三元首相のおひざもとの山口県下関市で5日、市議選が投開票された。定数34に現職29人、新顔20人の計49人が立候補する乱戦で、安倍氏という後ろ盾を失った「安倍系」の候補は苦戦を強いられた。

 「関門海峡の船が進めないぐらいの濃霧の中を走っているようだ」。福田幸博氏(75)は、5日に投開票された下関市議選の戦いをこう例えた。26票差の次点で落選した。

 旧下関市時の1995年に初当選し、通算7期のベテラン。市議会では故・安倍晋三元首相に近い会派「創世下関」に所属する。

 安倍氏の父・晋太郎氏が外相だった約40年前に晋太郎氏の後援会に入った。まだ秘書だった安倍氏が、自身が経営する自動車販売店で車を買ったことが自慢だ。「根っからの安倍ファン」を自称する。

 「日本広しといえども、投票用紙に『安倍晋三』と書けるのはここだけ。地元で支えられるのが誇らしかった」。自身の約30人の選挙スタッフも全員が安倍後援会に入っている。

 2022年7月8日、安倍氏の死去で状況は一変。下関市議会の勢力図にも影を落とす。

 自民党系の会派はそれまで…

この記事は有料記事です。残り2384文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料

連載安倍元首相なき後 激動の山口

この連載の一覧を見る