新年度当初に4861億円 「骨格」でも新幹線関連などは手厚く

小田健司
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 県は6日、総額4861億円の2023年度一般会計当初予算案を発表した。知事選を控えて政策的経費を抑える「骨格予算」だとしているが、2024年春に福井で開業する北陸新幹線関連など、多数の新規事業が盛り込まれた。前年度当初比では4・9%減で、骨格としては過去2番目の大規模な予算だ。8日からの定例県議会に提案する。

 杉本達治知事は、「北陸新幹線は、年度当初からかからないと間に合わない準備も多くある。物価高騰対策などすぐに取りかからないといけないものもあり、県民生活に重要な要素の部分を盛り込ませていただいた」と説明した。

 独自の物価対策などは、2月補正も含めて措置した。ただ、公共事業は前年度比で補助事業で7割、県単独事業で5割に抑えた。

 歳入のうち県税は1262億円を見込み、前年度に続いて過去最高を更新しそうだ。電気機械や半導体関連など製造業の一部で業績好調が見込まれ、法人県民税と法人事業税が増加。1262億円と別に6月補正の財源として60億円も確保している。

 原子力関連の歳入は、県税が35億円増の236億円。関西電力原発の稼働状況や販売電力量の増加などを要因に、法人2税と核燃料税ともに増加を見込んでいる。電源三法交付金は5億円減の103億円。

 県債は206億円減の485億円。骨格予算に伴い公共事業を抑えていることや、新幹線建設事業費減などが影響した。

 歳出では、北陸新幹線開業対策に力を入れる。プロモーションや機運醸成のための計59事業に223億円を計上した。観光や文化関連で38億円を措置した52の事業も新幹線開業「関連」と位置づけ、準備を進める。

 今回は県の貯金にあたる財政調整基金の取り崩しは行わなかった。22年度末の基金の残高は151億円を見込む。

 また、2月補正では電気・ガス料金の高騰で打撃を受けている事業者を支援する給付金事業など、185億円の経済対策を盛り込んだ。一方で、コロナ関連などの制度融資の減額で全体では272億円を減額した。補正後の今年度一般会計予算は5674億円となる。(小田健司)

主な新規・拡充事業

 ◆北陸新幹線首都圏プロモーション事業(1億1100万円)=首都圏や北陸新幹線の主要駅でPRし、福井県への誘客を図る

 ◆恐竜博物館リニューアルオープン記念事業(1億4100万円)=2023年夏のリニューアルオープンに向けて、県外でカウントダウンイベントなどを開催

 ◆地域部活動体制整備事業(4千万円)=中学生の休日の部活動を段階的に地域に移行させるため、指導者の配置などで市町を支援

 ◆原子力人材育成研修事業(7800万円)=学生向けに次世代革新炉に関する研修をし、原子力関連分野への進学や就職を促す

 ◆公衆衛生行政体制整備事業(4700万円)=将来の新たな感染症に備えて、市町を指導する専門の医師を確保・育成する

 ◆未就園児の定期的な預かりモデル事業(600万円)=子どもを定期的に保育所などで預かり、子どもの発達支援や子育て家庭の負担軽減を図る

 ◆いちほまれネクストステージ躍進事業(2億円)=高価格販売店舗と連携した販売を展開し、全国に通用するトップブランド米としての地位確立を目指す

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