フィリピンを拠点とした特殊詐欺事件で、フィリピン政府は7日、日本政府が事件に関与した疑いで強制送還を求めていた日本人4人のうち、2人の身柄を日本側に引き渡した。残る2人も、8日にも強制退去させる方針だ。日本の捜査当局はこの4人に、全国で相次いだ一連の強盗事件を指示した「ルフィ」を名乗る男が含まれるとみている。
フィリピンの首都マニラの中心部から南に約10キロ離れた国際空港では、7日未明から警察官らが厳しい警戒態勢を敷いた。
この日、強制退去させられるのは、藤田聖也(としや)(38)▽今村磨人(きよと)(38)の2容疑者。
空港から6キロほど離れた入国管理局の施設に収容されていた2人は、この日午前7時半(日本時間同8時半)ごろに車に乗せられて施設を出発し、午前8時すぎに空港に到着した。一般客と接しないよう重要人物が使う特別な入り口から空港に入ったとみられる。
フィリピン側の説明では午前8時15分ごろ、警視庁から派遣された捜査員に引き渡したという。
午前9時10分ごろには、入管の車が飛行機のタラップのもとに着き、両容疑者が飛行機に乗り込んだ。
両容疑者はいずれも黒いTシャツに青っぽい半ズボン、サンダル姿。現地当局の職員とみられる男性に腕をつかまれたまま、順番に階段を上がっていった。
いずれもうつむき加減で、後ろの職員に促されるように飛行機に入った。
搭乗したのは、日本航空の746便。午前10時すぎに滑走路から離陸した。
■残る2人は8日にも 法相「…