モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラがムルマンスクに向かう寝台列車6号コンパートメントで乗り合わせたのは、粗野なロシア人労働者リョーハだった――。昨年2月のウクライナ侵攻を契機に、関係が緊張しているロシアとフィンランドの人々を主人公にした映画「コンパートメントNo.6」が10日から全国順次公開されます。フィンランド生まれのユホ・クオスマネン監督は「侵攻の傷を癒やすのに1世紀はかかる」と語ります。
――作品ではラウラとリョーハの心のすれ違いを描いていました。映画冒頭には「人は部分的に接触している」というマリリン・モンローの言葉も紹介されています。どんな人間関係を描きたかったのですか。
モンローの言葉は素晴らしいです。私たちは他の人から完全に理解されることは決してありません。私たちは孤独を運命づけられていますが、時折、長い間失われた兄弟のように感じる人々に出会うことがあります。
一言も言葉を交わさなくても、あなたの気持ちを理解しているように見える人。そういう人間関係を描こうとしているんです。見知らぬ人との突然のつながり。それは何かに発展する必要はありませんが、その瞬間はあなたと一緒に残ることになります。
どのようなロシア人男性を描こうとしたのか
――リョーハはラウラを女性…

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