国枝慎吾さん「最高のテニス人生を送れました」引退会見で語った転機
車いすテニス男子シングルスの4大大会で28度、パラリンピックで3度の優勝を誇り、日本のパラスポーツ界の第一人者として活躍した国枝慎吾さん(38)の現役引退の記者会見が7日、東京都内で開かれました。
国枝さんは1月22日、自身のツイッターに「もう十分やりきったという感情が高まり、決意した」などと投稿し、世界ランキング1位のまま現役を退くことを表明しました。
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国枝さんは9歳の時、背中の腫瘍(しゅよう)が原因で車いす生活になり、11歳で競技を始めた。2009年には当時のパラアスリートとしては珍しい「プロ」宣言をした。
昨年7月、ウィンブルドン選手権で初優勝し、4大大会のすべてとパラリンピックを制する「生涯ゴールデンスラム」を達成した。
21年の東京パラリンピックでは日本選手団の主将を務め、シングルスで自身3度目となる金メダルを獲得した。
会見での主な発言は次の通り。
東京パラが終わってから引退ということについてはずっと考えていて、昨年はグランドスラムを三つ獲得して調子も良かったですが、最後に残されたウィンブルドンで優勝が決まった後にチームと抱き合っていたんです。その時に「これで引退だな」っていうのがコートの上で出た言葉でした。全米オープンが終わってから、僕自身も「もう十分やりきったな」というのが、ふとした瞬間に口癖のように出てしまっていた。そのままテニスをしていて良いのかという気持ちになって、そういう(引退の)タイミングかなと決意した。
身近で支えている妻や、テニスのきっかけを与えてくれた母、天国で見守ってくれている父、コーチ、トレーナー、マネジャー、車いすテニスの先輩方や関係者の皆様、支えてくださりありがとうございました。
応援してくださっているファンの皆様には、「最高のテニス人生を送れました」と言って締めさせていただきます。ありがとうございました。
――一番の思い出は
東京パラの金メダルですね…