フィリピン拠点の特殊詐欺事件、容疑者2人を逮捕 移送の航空機内で
フィリピンを拠点とする特殊詐欺事件に関わったとして、警視庁は7日、フィリピン側から引き渡しを受けた今村磨人(きよと)容疑者(38)と藤田聖也(としや)容疑者(38)の2人を逮捕した。同国から移送中の航空機内で逮捕状を執行した。警視庁はこの2人のほかに、詐欺グループのリーダー格とみられる渡辺優樹容疑者(38)ら2人についても早期の引き渡しを求めている。
グループによる被害は全国で60億円以上に上るとされ、2019年11月にフィリピン国内の拠点の一つが現地当局に摘発されて電話役の36人が拘束された。国内の現金回収役などを含め、一連の事件で計70人以上が逮捕されている。
警視庁によると、今村容疑者と藤田容疑者は19年4月と11月、金融庁職員や警察官などを名乗って、東京都内の男女に電話してキャッシュカードを用意させ、自宅を訪れてカードを盗む特殊詐欺グループに幹部などとして関わった疑いが持たれている。
警視庁は渡辺、今村、小島智信(45)の3容疑者については19年7月に、藤田容疑者は21年2月に逮捕状を取得。その後も容疑内容を変えて逮捕状を取っており、4人がいるフィリピン側に送還を求めてきた。
この4人をめぐっては、特殊詐欺事件のほかに、昨年から各地で相次いだ強盗事件への関与も疑われている。強盗事件では、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ルフィ」や「キム」と名乗る人物が指示していた疑いが浮上。同庁は4人に「ルフィ」「キム」がいるとみている。
フィリピン当局は送還に先立ち、入管施設に収容されていた4人のうち1人からiPhone6台を没収しており、同庁はこれらの証拠品についても調べる。
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