120年の時を超えて「防災を文化に」 被災地の岩手と岐阜が協定
保坂知晃
発災から12年を迎える東日本大震災の被災地・岩手県大槌町の虎龍山吉祥寺と、岐阜市にある濃尾地震の追悼施設「震災紀念(きねん)堂」が協定を結ぶ。災害を後世に伝えて、防災を文化にする活動に連携して取り組むという。調印式は3月12日に吉祥寺である。
吉祥寺の高橋英悟住職(51)が1月に岐阜市を訪れ、紀念堂の天野賢敬(よしたか)代表(41)と仮協定書に署名・押印した。
協定書では、それぞれの災害の犠牲者の供養と教訓を後世に伝えるため、防災を文化とする活動に関して連携する、としている。具体的な取り組みは今後、話し合って決めるという。
高橋住職は「震災から12年が経過し、風化が進んでいる。震災紀念堂が現在も月命日を続けていることに敬意を表し、私たちも語り継ぐことによって守れる命があるのではないかと思った」と述べた。
濃尾地震は1891(明治24)年10月28日に発生。激震地域は岐阜県の美濃地方を中心に愛知、滋賀、福井の隣県に及んだ。死者は7273人、全壊・焼失家屋14万2千戸と甚大な被害が出た。当時の岐阜市では全半壊した家屋が全戸数の6割以上の3742戸に上った。
紀念堂は、衆院議員だった天…