最終授業週に突然告げられた休講 大学教員が見た脅迫ファクスの混乱

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 ちょうど大学に行く準備をしていた時だった。

 関東地方の大学の男性教授は1月23日朝、携帯電話にLINEの通知が来ていることに気づいた。

 「今日休講になるらしいんですけど、授業はどうなりますか?」

 送り主は、担当するゼミの学生。この日の2限目に、この学生がとっている今年度最後の授業が入っていた。

 事情がわからない。

 すぐに大学に問い合わせをすると、「学校に来ないでください」と告げられた。

 15分後。学内ネットワークを通じて連絡がきた。

 授業はすべて休講し、学生も教員も構内に立ち入らないように――。

 そんな内容だった。理由は「緊急事態のため」とされた。

 詳細が分かったのは翌日だ。「爆弾を仕掛けた」というファクスが届いたためだ、と学内の会議で報告があった。

 「安全管理のためにも休講は仕方がない」と男性は話す。

 でも、23日は今年度最後の授業がある週だった。その後は試験期間で、すぐに春休みに入る。

 入試もあって、対面での補講は難しい。数週にわたって学生1人ずつに発表をさせていた授業では、まだ終わっていない学生が数人いた。

 自分の授業ではないが、授業の代わりに1日で3千字のリポートを書いて提出しなくてはいけないと言っている学生もいた。

 コロナ禍で、補講をオンデマンドで行うなどの対応ができるようになったぶん、混乱が少なかったと感じる。しかし、戸惑う学生がいたのは事実だ。

 被害が何もなくてよかったと思うが、納得いかない。「こういうことが頻発したら授業が立ちゆかなくなる。やめてほしい」

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