「人魚のミイラ」の正体わかった CT撮影など謎の解明に挑んだ1年
岡山県浅口市の円珠院(えんじゅいん)が秘蔵する「人魚のミイラ」。全長約30センチに詰まった謎を解こうと、科学的アプローチを続けていた倉敷芸術科学大(倉敷市)の研究者らが7日、造形物だと結論づけた。調査開始から1年。X線撮影やX線CT撮影、光学顕微鏡による微物観察、DNA分析など現代科学を駆使し、正体にたどりついた。
同大と岡山民俗学会、倉敷市立自然史博物館の5人が研究チームを発足し、昨年2月に同大の動物病院などで調査研究を続けてきた。
正面を向く眼窩(がんか)や頭髪、5本指の両腕など霊長類を思わせる上半身と、うろこに覆われた下半身。肉食性の魚類を思わせる円錐(えんすい)形の歯に、腕や肩には下半身とは異なる形のうろこ。哺乳類のようにキューティクルのある体毛……。
朝デジ×記者サロン「記者だけが知っている~人魚のミイラの正体わかった~」
「人魚のミイラ」の正体に迫る様子を取材した小沢邦男記者が、取材秘話やこぼれ話を語るオンラインイベント「記者だけが知っている~人魚のミイラの正体わかった~」を24日(月)21時から配信します。
調査序盤には、こうした多く…
- 【視点】
紙を重ねて綿を詰め、ふぐの表皮と動物の毛を貼り付けて上半身をつくり、魚の半身をつなげる……。製作に何日くらいかかったんでしょうか。どんなひとがどんな顔をしながらどんな目的でつくったのか。1800年代後半のものというから、ペリーが来航したあと
- 【視点】
「人魚のミイラ」は、私も大好物の題材です。8年ほど前に、夕刊の「勝手に関西遺産」のコーナーで、和歌山県橋本市の学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)に伝わる人魚を取材させていただいたこともあります。ムンクの「叫び」のようなポーズ、キバのはえた