フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部らだったとして、フィリピンの入管施設に収容されていた4人のうち今村磨人(きよと)容疑者(38)と藤田聖也(としや)容疑者(38)の2人が7日、日本に送還され警視庁に逮捕された。4人が施設などから事件を指示していた疑いが持たれていることに、現地の人たちは複雑な思いを抱えている。
「海外メディアがこんなに集まるのは珍しい」
連日のように日本の報道陣が施設前に集まり、敷地内で働く男性警察官(44)はそう驚く。日本国内で相次いだ強盗事件の指示役「ルフィ」は、収容されていた4人の中にいる可能性がある。事実なら施設そのものが事件の「司令塔」になっていたことになり、「施設内から事件に加担するなんてめったにないこと。どうして起こったのか、(入管は)原因究明しなければならない」。
ある政府機関で働く女性(45)は、入管施設の職員に対する賄賂が指摘されることについて、「一般的にあること」と話す。「厳しいコンプライアンスのルールがある」としつつ、「施設内では携帯電話だけでなく、薬物や銃も手に入ると聞く。(金銭の授受は)入管だけでなく、全ての政府機関において行われていると思う」と話した。
「賄賂が許される環境」
「今回のニュースをマニラで…