米、気球を返さず解析 過去数年「5大陸で中国の監視用気球を確認」

有料記事

ワシントン=清宮涼 北京=高田正幸
[PR]

 米本土上空に飛来し、米軍機が撃墜した中国の気球について、残骸の回収を進めている米政府は6日、気球に搭載されていた装置の解析を続け、残骸を返還する予定もないと説明した。バイデン政権は米中関係の安定を志向してきたが、米国内では撃墜の対応が「遅かった」との批判や対中強硬論が勢いを増している。

 米軍は4日、気球を米南東部サウスカロライナ州の沖合で撃墜した。中国が監視目的で飛ばしたものだとみて、海中に落下した気球の残骸を回収し、解析する作業を進めている。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は6日の会見で「気球の能力だけでなく、中国が何をしようとしていたか、より明確になるだろう」と自信を見せ、残骸を中国に返す予定もないと述べた。

 2001年に起きた米中軍用機接触事故では、米軍の偵察機が中国に留め置かれ、数カ月の交渉を経て中国が米国に返還している。

 中国外務省の毛寧副報道局長は7日の会見で、米国に気球の返却を求めるかどうかを問われ「(気球は)米国のものではなく中国のものだ。中国政府は引き続き正当で合法な権益を主張していく」と答えるにとどめた。

東アジア、欧州… 5大陸で監視用気球を確認

 米国防総省によると、今回撃…

この記事は有料記事です。残り878文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料