ふるさと納税の返礼品業者に便宜の疑い 山形・寒河江市の元職員逮捕

須田世紀 高橋昌宏
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 山形県寒河江市のサクランボを返礼品としたふるさと納税で、要件を満たしていない市外の業者を参入させた見返りに現金計約30万円を受け取ったとして、山形県警は7日、元市職員の東海林雄彦容疑者(39)=同県河北町=を加重収賄容疑で逮捕し、発表した。

 県警は現金を送ったとして、ともに山形市の農産物加工販売「さくらんぼファクトリー」役員の鈴木成花容疑者(49)=同県中山町=と、相田潤容疑者(49)=山形市=も贈賄容疑で逮捕した。

 捜査2課によると、寒河江市ではふるさと納税の返礼品は市内に本社や主たる事業所がある業者から選ぶ要綱があるのに、東海林容疑者は、山形市のさくらんぼファクトリーが要件を満たしていると虚偽の内容を上司に報告。返礼品業者に選ぶ便宜を図った見返りに、同社側から2020年3~8月に6回にわたり現金計29万8014円を受け取った疑いがある。

 寒河江市によると、東海林容疑者は12年に採用され、商工創成課(当時)に配属された17年からふるさと納税の業務を担当。返礼品を提供する協力事業者の申請にも携わっていたとみられる。

 さくらんぼファクトリーは20年3月に返礼品業者として指定の申請があり、審査会で承認された。だが、市内に本社か主たる事業所があるとの実態が確認できないなどとして、同年12月で指定を取り消された。

 東海林容疑者は翌21年3月に「一身上の都合」を理由に退職したという。

 寒河江市はサクランボやコメの産地で知られ、20年度のふるさと納税の寄付額は約56億8千万円に上り、全国7位となった。(須田世紀、高橋昌宏)

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