三菱の国産ジェット、「知見足りず」に撤退 1兆円の投資も実らず
杉山歩 若井琢水 今泉奏 松本真弥
三菱重工業は7日、国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(SJ、旧MRJ)の開発を断念すると発表した。航空機産業を日本のものづくりの新たな柱に育てようと、国も支援したプロジェクトだったが、開始から15年で撤退に追い込まれた。
同日、東京都内で記者会見した泉沢清次社長は開発を断念した理由について、2008年に始めた開発が長期化し、今では最新の技術と比べて機能や装備が見劣りする部分が出ていると語った。
今後、設計を変更して商業飛行に不可欠な「型式証明」(TC)の取得を目指したとしても「必要な期間と資金の面で、事業性が見通せない」と判断したという。開発の長期化を招いた原因については、TCを取得するプロセスへの「理解不足」を挙げた。
SJの開発を担ってきた子会…
- 【視点】
「ものづくりの技術力」や「日本政府との関係構築」だけでは対応できない部分でのつまづき。これが日本企業共通の弱点ではないことを望む。