韓国軍のベトナム戦争時の民間人虐殺 韓国地裁、政府に初の賠償命令

ソウル=鈴木拓也
[PR]

 ベトナム戦争に参加した韓国軍に家族を虐殺され、自身も銃撃を受けたとして、ベトナム人女性が韓国政府に賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は7日、原告に3千万100ウォン(約314万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。ベトナム戦争での韓国軍の民間人虐殺について、韓国の裁判所が初めて韓国政府の賠償責任を認めた。

 判決は、韓国軍が1968年にベトナム中部クアンナム省の村を襲撃した際に女性を銃撃し、家族を殺害したと認定。「軍人たちが原告の家族を銃で威嚇して自宅から外に出し、銃撃を加えた」とし、「明白な違法行為」と位置づけた。

 韓国政府側は、ベトナム側との約定書などから、戦争中に被害に遭った民間人が韓国の裁判所に提訴することはできないと主張していた。だが判決では、約定書は条約ではなく、ベトナム国民が個人として韓国政府を提訴することを、妨げられないとされた。

 女性は2020年に、3千万100ウォンの慰謝料を求めて提訴。女性の弁護団は、2018年に日本企業に元徴用工への賠償を命じた訴訟の原告代理人も務めている。(ソウル=鈴木拓也)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません