父がんばったねと言われたい 風見しんごさんが亡き娘に託された使命

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河合真美江
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 「えみるは生きていれば26歳。私の中では10歳のままなんです」

 警視庁中野署などが主催した交通安全講演会で昨年12月、タレントの風見しんごさん(60)は語り出した。

 2007年1月17日、都内で暮らす一家のいつもと変わらない朝のはずだった。「ちょっと寒いね」。小学5年生の長女えみるさんは言い、学校へ向かった。家を出て100メートル先を右へ曲がる時「おじいちゃん、いってきまーす」。玄関先で見送る祖父へ満面の笑みで言った。

 その角から50メートル先の横断歩道で、えみるさんはトラックにはねられた。あわてて駆けつけた。娘がトラックの下敷きになっている。一人で持ち上げようとした。びくともしない。情けなくて、へたりこんだ。

 病院に搬送されて救命中、妻(55)は「がんばれ」と叫び続けた。医師は言った。「がんばっていますよ。心臓が一度動き出しました」

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