秘書官発言の背景にある「幹部官僚の偏り」 男性一色が恐ろしい理由

有料記事岸田政権

鬼原民幸
[PR]

 岸田文雄首相の首相秘書官が、性的少数者同性婚に対する差別発言で更迭された。上智大の三浦まり教授(政治学)は、首相を支える幹部官僚に女性がいないことが「首相秘書官の発言と無関係ではない」と指摘する。どういうことか。

 更迭された首相秘書官は、性的少数者への差別的な内容のほか、同性婚などについて「秘書官室もみんな反対する」という趣旨の発言をした。その後、「同世代だからという趣旨で言ったが、実際に聞いているわけではないので、撤回する」と記者団に説明した。

 この発言について三浦氏は「同質的な感覚の人だけで普段から活動していると感じた」と指摘。「意思決定の場に多様性がなければ、政策の細部に多様性の視点が入ってこない」と政府が取り組む政策への影響も心配する。

 首相秘書官は、内閣官房に置…

この記事は有料記事です。残り743文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2023年2月8日9時44分 投稿
    【視点】

     ある会議の座長として人選を任されたとき、半々以上で女性にしたいと思ったら、結果的に2:1くらいで女性が多くなりました。そんな場では、ホモソーシャルな暗黙の了解は吹き飛びます。座長も女性だともっと違うでしょう。アクティヴな世代から選ぶと自然

  • commentatorHeader
    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2023年2月8日23時8分 投稿
    【視点】

    見出しが秀逸です。多様性がない組織は「恐ろしい」。この感覚、この理論をもっと浸透していかなければならないと強く思います。ジェンダー平等は、活躍の場を狭まれてきた女性のためにあるだけではありません。皆が風通しよく議論し、リスクのないガバナンス