トルコの地震被災地、零下5度の夜 菓子の配布に100人以上の行列
カフラマンマラシュ=武石英史郎
トルコとシリアを襲ったマグニチュード7・8の地震。記者は7日夜、震源に近いトルコ南部カフラマンマラシュの街を巡った。零下5度近い極寒と暗闇の中、たき火の炎が被災者の生きる支えになっていた。
住宅街ではアパートが倒壊し、救出作業が続いていた。すっかり日が暮れた後、市当局によるスープの炊き出しに人だかりができた。親族を捜す人、医療チームの隊員、警察官らが、湯気の立つ紙コップを手にたき火を囲む。「あなたもどうだ」。記者もたき火にあたらせてもらい、冷え切った体が生き返った。
多くの住民は余震による家屋の倒壊を恐れ、ほとんどの時間を家の外で過ごしているようだ。オレンジ色のたき火が停電で真っ暗な住宅街を照らし、そこに人がいることがわかる。
避難所となっている高台のモスクの前では、トラックの荷台に100人近い行列ができた。大手菓子会社がビスケットやチョコレートなどを無料で配っていた。リーダー格のベキル・チャクルさん(32)は「菓子よりも食事を、と思う人もいるかもしれない。でも、私たちの活動で、菓子が大好きな子どもたちのストレスを少しでも和らげたい」と話した。(カフラマンマラシュ=武石英史郎)
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