石川の卵加工食品工場で火災 未出荷のプリン1万個が燃えた可能性
6日午後7時20分ごろ、石川県七尾市千野町のみやけ食品七尾第2工場で「工場から煙が見える」と警備会社の職員から119番通報があった。七尾署や同社によると、火は約14時間後に消し止められた。同社は卵加工食品メーカー。この火事で、鉄筋平屋と木造2階建ての工場は全焼したが、従業員は帰宅しており、けが人はいなかった。敷地内にある木造2階建ての家屋の一部にも延焼した。
署などによると、衣類の乾燥機あたりが激しく燃えていたという。署は出火原因などを調べている。
現場はJR七尾駅から約2・5キロ南の住宅街。近くに住む自営業の50代男性は「最初はたき火かと思うほど小さかった。すぐに消えると思ったが、風にあおられて一気に焼けてしまった」と話した。
卵豆腐が主力、プリンは月4~5万個出荷
みやけ食品は七尾市に本社を置く卵加工食品のメーカーで、卵焼きや茶わん蒸しなどを製造している。卵豆腐などが主力商品で、40年以上前に完成した1500坪の七尾第2工場では主にプリンを製造し、月に4万~5万個を出荷していたという。
社員の一人は6日午後7時20分ごろに自宅でサイレンの音を聞いた。消防のホームページで火事に気付き、10分後に第2工場へと駆けつけた。その時は煙が見える程度だったが、屋根の上の炎がどんどん大きくなり、「ぼうぜんと立ち尽くすことしかできなかった」と振り返る。
外から見ても工場は広く焼けており、製造再開の見通しは立たないという。未出荷のプリン1万個ほども燃えてしまった可能性がある。
工場で働いていた約50人の従業員は、同市内の別の工場に異動させることを検討している。安中幸司工場長は「各所と調整しながら、お客様にご迷惑をかけないよう対応していく」と話した。
同社によると、コロナ禍により自宅での食事に使える卵加工食品の需要が高まっており、7月に同市内に新工場を完成させる予定で、火事のあった第2工場の機能も新工場などに移す計画だったという。(マハール有仁州)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら