へその緒がついたままの女児救出 シリア北西部、出産した母親は死亡
大地震に見舞われたシリア北西部で、がれきの下から赤ちゃんが見つかった。3175グラムの女の子。へその緒がついたままで、地震によって崩壊した5階建てアパートの下で、母親が出産したようだ。親族や医師が7日に語った話として、AP通信が報じた。
ただ、この女児とへその緒でつながっていた母親、アフラア・アブ・ハディヤさんは亡くなった。また、父親のほか、4人の子どもたちも犠牲になった。ハディヤさんの親族は、崩壊したこの建物から生き残ったのは女児だけだ、と語ったという。
トルコやシリアでは6日未明(日本時間6日午前)、マグニチュード7・8の地震が発生した。発生から48時間の時点で、7800人を超える死者が確認されている。
AP通信によると、女児は建物の入り口近くで、コンクリートのがれきに埋まって泣いていた。地震発生から10時間以上が経ってから救助隊によって救出された。近くに住む女性がへその緒を切った後、小児病院に運ばれた。
女児の体温は一時、35度まで下がっていたという。背中には大きなあざもあったというが、現在は保育器の中に入り、容体は安定している。
医師は女児について、発見の数時間前に生まれたはずだと推定した。「もし地震の直前に生まれていたら、寒さの中で何時間も生き延びられなかっただろう。あと1時間放置されていたら、死んでいたかもしれない」と語ったという。(藤原学思)
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