体を張って国会を守るのは衛視 「単語帳」で頭にたたき込むのは…

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安倍龍太郎
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 国会の警備を担当するのは、警察官のような存在の衛視だ。門に立って人の出入りを警戒したり、議長や首相ら要人の警護にあたったり。法案への賛否が与野党で割れる大荒れの採決では、議事の秩序を守るため、体を張って委員長を守ることもある。

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国会には不思議な決まりや知られざるエピソードがたくさんあります。そんな情報をネホリハホリ取材して随時、紹介します。

 制帽をかぶり、警察官と見間違う格好だが、なぜ警察官ではないのか。国会は立法機関。司法、立法、行政の「三権分立」である以上、「行政組織の警察が院内の警備にあたれば、行政のトップである内閣の影響を受けかねない」(衆院事務局)との考えからだ。

 「内部警察の権は、議長が、これを行う」と定める国会法に基づいて仕事をしている。担当は要人の警護、国会や議員会館の警備、国会参観の案内、救護や消火活動。衆院規則では「議院内部において現行犯人があるとき」に「逮捕して議長の命令を請」うとされているが、その後は警察に引き渡すことになっている。警察のように捜査し、検察に送致する権限はない。

 衆院、参院はそれぞれ独立した組織なので、衛視の採用も別々だ。制服のデザインは同じだが、予算もメーカーも異なる。首相が衆院から参院に移動すれば、国会議事堂の中央で警護が引き継がれる。廊下は一本でつながっているが、両院を移動する際、議員はバッジ、記者はペンをデザインした記章を衛視に見せるルールだ。

 衛視は衆院に約270人、参院は約210人。うち女性はそれぞれ1割ほどいる。身分は特別職の国家公務員だ。衛視長、衛視副長、衛視班長、衛視の四つの階級がある。

「動かせるのは目だけ」の仕事も

 一目置かれる存在は、玄関の…

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